The Sake Wire

焼酎蔵の火の神蒸溜所、初のピート原酒を限定発売

鹿児島の焼酎大手・薩摩酒造の火の神蒸溜所が、フェノール値20PPMのスモーキーな若いウイスキー「HINOKAMI NEW BORN #3」を3,000本限定で発売した。

琥珀色のウイスキーをグラスに注ぎ、かすかに煙が立つ様子
琥珀色のウイスキーをグラスに注ぎ、かすかに煙が立つ様子 — 写真: Thomas Park(Unsplash)

焼酎(米や芋などを原料とする日本の蒸留酒)の大手、薩摩酒造株式会社が、ウイスキーで新しい一歩を踏み出した。同社の火の神蒸溜所は、熟成の若い原酒シリーズ「HINOKAMI NEW BORN」の第3弾にして最終章となる「#3」を、2026年10月2日に日本国内で発売した。シリーズで初めて、スモーキーな香りを主役に据えた一本だ。

鰹節の煙から生まれたピート

蒸溜所がある鹿児島県枕崎市は、日本列島の南端に近い港町で、鰹節(燻して乾燥させたカツオ。和食の出汁に欠かせない)の一大産地として知られる。#3は、この鰹節づくりの煙から着想を得ている。スモーキーさの強さを示すフェノール値は、#1の1PPM、#2の2PPMから大きく引き上げた20PPM。主体となるのはバーボン原酒で、テーマは「スモーキー」と「エレガンス」の共存だ。度数は50度、容量は200ml、日本での参考小売価格は税抜3,500円となっている。

チーフブレンダーの百田農氏によると、香りには軽やかな煙と焼いたマシュマロやチョコレートの甘さ、ユリのような花の香り、パッションフルーツや熟したリンゴの果実味がある。口に含むとピートスモークが広がり、南国の果物や柑橘のみずみずしさ、バターのようなオイリーな甘み、焼きたての穀物の香ばしさが続く。煙の余韻は長く残るという。

受賞歴と、来年のシングルモルトへ

ウイスキーのテイスティンググラス(イメージ)
ウイスキーのテイスティンググラス(イメージ) — 写真: Nano Erdozain(Pexels)

シリーズ第1弾の#1は、World Whiskies Awards 2026の「Japanese New Make & Young Spirit」部門でカテゴリーウィナーを獲得し、日本からの出品の中で最高評価を受けた。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2026でも、ニューボーン部門の全27点中で最高評価を得ている。火の神蒸溜所は、本土最南端のウイスキー蒸溜所だ。モルトとグレーンの両方を造る設備や貯蔵庫に加えて、樽をつくる工房も敷地内にある。日本では数か所しかない設備だという。

同社は来年、フラッグシップとなる「シングルモルト ジャパニーズウイスキー HINOKAMI」の発売を予定しており、そのテーマは「スモーキーエレガンス」だ。#3は、そこへ向かう道しるべと位置づけられている。

ヨーロッパの読者へ

テイスティンググラスに注いだ若いウイスキー
テイスティンググラスに注いだ若いウイスキー — 写真: Michael M(Pexels)

#3は3,000本限定の国内発売で、ヨーロッパでの販売予定は発表されていない。現実的に注目したいのは、来年のシングルモルトだ。焼酎の造り手が、地元の燻煙文化をウイスキーで表現した例として、輸入の動向を追う価値がある。スコットランドの強いピート系より穏やかな20PPMという設計は、スモーキーなウイスキーに慣れていない人にも試しやすいかもしれない。手に入ったら、まずは少量の加水で香りを開かせてみたい。燻製の魚や出汁を使った料理と合わせて、枕崎の「煙」とのつながりを確かめるのも面白い。

参考・出典:薩摩酒造株式会社(PR TIMES/STORY)https://storyweb.jp/prtimes/792471/

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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