杜氏不在の蔵を元教師が継ぐ 隣の蔵が指導
杜氏不在で酒造りを一度止めた兵庫県宍粟市の老松酒造で、酒造り未経験の元高校教師が新社長となり、近くの蔵の指導を受けて再開に挑んでいる。
兵庫県は、神戸の西に広がる日本有数の酒どころです。その西部の山あいにある宍粟(しそう)市の老松酒造は、蔵の酒造りをまとめる責任者「杜氏(とうじ)」がいなくなりました。そのため、創業以来はじめて酒造りを見送ることになりました。日本の地方にある小さな蔵では、造り手の高齢化や後継者不足は珍しくありません。たった一人の不在が、蔵が続くかどうかに直結します。
教壇から酒蔵へ
この蔵を立て直そうとしているのは、新しく社長に就いた元高校教師です。酒造りの経験はまったくありませんでした。関西テレビの報道によると、新社長はかつての教え子たちとともに、蔵の歴史を途切れさせないための挑戦を始めています。目標は、今年11月に新酒の最初のしぼり(初しぼり)を迎えることです。
「ライバル」が教える理由

新社長の修業先は、近くにある山陽盃酒造です。本来なら同じ地域で競い合う「ライバル」の蔵ですが、山陽盃酒造は技術の指導を引き受けました。「2軒ともおいしければ、わくわくする」という言葉に、その考え方が表れています。蔵が一つ消えれば、その土地の酒文化も細っていきます。人口が減る地域では、競争よりも共存を選び、跡継ぎを一緒に育てることが現実的な選択になりつつあります。
ヨーロッパでこの話をどう楽しむか
再開後の老松酒造の酒がヨーロッパに届くかどうかは、まだわかりません。それでもこの話は、ボトルの向こう側を想像する手がかりになります。日本酒を選ぶときは、蔵の所在地にも目を向けてみてください。同じ県の酒でも、蔵ごとに個性が違うことに気づくかもしれません。兵庫の酒を見かけたら、近くの蔵の酒と飲み比べるのもよい楽しみ方です。また日本では、秋から冬にかけて新酒が出回ります。11月の初しぼりの知らせは、その年の酒造りが始まった合図でもあります。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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