ミズキの花の酵母で醸す、秩父の森のビール
埼玉県秩父の森に自生するミズキの花から得た酵母で、日本初とされるクラフトビールが誕生し、9月20日に地元で発売された。

東京の北西に広がる埼玉県秩父地域で、森の木の花から採った酵母を使ったビールが生まれました。秩父市の企業・矢尾本店が商品化した「ちちぶミズキクラフトビール」です。ミズキの花の酵母でビールを造ったのは日本で初めてとされ、2026年9月20日から秩父市内の5カ所で販売が始まりました。東京新聞が伝えています。
花から酵母を得るという発想

ミズキは北海道から九州まで日本各地に分布する落葉樹で、毎年5〜6月に小さな白い花をたくさん咲かせます。秩父の森林にも多く自生しています。発酵の主役である酵母は、花や樹皮、果実など自然界のあちこちにすんでいます。今回の取り組みは、地元の森にある花から酵母を得て醸造に生かそうというものです。原典の記事は、埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)北部研究所の取り組みにも触れています。ビールの個性を決めるのは麦芽やホップだけではなく、どの酵母を使うかでも香りや酸味は大きく変わります。土地の植物から得た酵母は、その土地ならではの風味を表現する手段として注目されています。
さわやかな酸味と、やわらかな口当たり
アルコール度数は5%。さわやかな酸味とやわらかな口当たりがあり、清涼感のある味わいだといいます。「秩父の森の奇跡」というキャッチコピーで、秩父の豊かな森が育んだ自然な香りと味を打ち出しています。矢尾本店の矢尾琢也社長は、さっぱりした酸味があるので食事と一緒に楽しめるビールとして広く飲まれてほしい、と話しています。
ヨーロッパの読者へ
発売時点では販売は秩父市内に限られ、ヨーロッパで手に入る見込みは発表されていませんでした。ベルギーのランビックやセゾンのように、酵母や微生物がビールの個性を決める伝統はヨーロッパのほうが深いかもしれません。だからこそ、日本でも地元の植物から酵母を得て土地の味を表現しようとする動きが出てきたのは、注目に値します。日本のクラフトビールや日本酒を選ぶときは、ラベルや説明に使用酵母の由来が書かれているか見てみてください。酸味が穏やかでさっぱりした1本なら、魚料理や野菜料理など軽めの食事に合わせて、食中酒として楽しむのもよいでしょう。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

