The Sake Wire

泡盛の出荷5.7%減、輸出も2割減 リキュールに活路

沖縄の蒸留酒・泡盛は2025年の出荷量が前年比5.7%減、輸出も21.7%減と落ち込んだ一方、海外向けリキュールは約3割伸びた。

日本最南端の沖縄県には、本州の日本酒とは別系統の伝統的な蒸留酒「泡盛(あわもり)」があります。米を原料に黒麹を使って仕込み、蒸留して造る酒で、長く熟成させたものは「古酒(クース)」と呼ばれます。業界団体の沖縄県酒造組合は2026年4月、2025年(1〜12月)の出荷量が1万1733キロリットルで、前年から5.7%減ったと発表しました。新型コロナウイルス流行前の2019年(1万6009キロリットル)の73.3%にとどまり、組合は回復はまだ途中で、減少傾向が続くおそれがあるとしています。

地元での消費減と税優遇の縮小

居酒屋の酒瓶が並ぶ店内の様子
居酒屋の酒瓶が並ぶ店内の様子 — 写真: Iban Lopez Luna(Pexels)

出荷の約8割を占める沖縄県内向けは6.9%減、県外向けは0.9%減でした。主な理由として、若い世代の飲酒離れや飲み方の多様化が挙げられています。さらに、沖縄産の酒類に認められてきた酒税の軽減措置が2024年5月から段階的に縮小されています。最初の縮小の直前には駆け込み需要がありましたが、その後の出荷は一度も前年同期を上回りませんでした。2026年5月には第2段階の縮小が行われ、2032年に軽減措置は完全に廃止される見通しです。2024年12月に泡盛を含む「日本の伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され話題にはなりましたが、需要の回復には結びつかなかったといいます。一方、2025年の生産量は1万2451キロリットルで6.0%増え、3年ぶりに前年を上回りました。各酒造所の在庫調整が進んだためとみられています。

輸出は36キロリットル、伸びたのはリキュール

泡盛ベースのリキュールを思わせる、柑橘と小さなグラスのイメージ
泡盛ベースのリキュールを思わせる、柑橘と小さなグラスのイメージ — 写真: Chris Ralston(Unsplash)

輸出量は21.7%減の36キロリットルでした。国別では首位の米国が8800リットル(前年8000リットル)、2位の台湾が8700リットル(同2400リットル)と増えたものの、全体の減少を補えませんでした。輸出の不振に伴い、アルコール度数45度を超える原料用アルコールの出荷も32.4%減っています。明るい材料はリキュールです。泡盛の酒造所が造るリキュールの海外向け出荷は49.2キロリットルと29.8%増え、リキュール全体でも495キロリットルと2.1%増えました。

赤字の酒造所が半数超、新しい飲み方で巻き返し

炭酸で割った蒸留酒のハイボールのイメージ
炭酸で割った蒸留酒のハイボールのイメージ — 写真: cottonbro studio(Pexels)

泡盛を造る44社のうち23社が営業赤字を計上し、営業利益の合計はマイナス2億8200万円でした。それでも、飲みやすい新商品や泡盛以外の酒類への展開、値上げによって黒字化した酒造所もあります。組合の佐久本学会長は、「強すぎる酒」という若い世代の印象を変えるため、炭酸割りなど新しい飲み方を提案し、SNSでの発信にも力を入れる方針です。

ヨーロッパで泡盛を試すなら、まずは度数の比較的低い一般的な銘柄を炭酸で割り、生産者が勧める飲み方から入るのがよいでしょう。海外向けに伸びている泡盛ベースのリキュールも入口になります。慣れてきたら、熟成年数を表示した古酒を少量ずつストレートで味わい、熟成による香りの変化を確かめてみてください。生産量が限られているため、日本の蒸留酒を扱う専門の輸入業者や酒販店のリストを確認するのが近道です。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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