The Sake Wire

秋田銀行系ファンド、真空保存の日本酒サーバーに出資

秋田銀行の投資子会社が、真空容器で開封後の日本酒の鮮度を保つ東京のメーカーに出資し、酒の「注ぎ方」の技術に地方の金融機関も目を向け始めた。

日本酒をグラスに注ぐ様子
日本酒をグラスに注ぐ様子 — 写真: Frederick Shaw(Unsplash)

開封後の鮮度という課題に資金

開封した瓶から小さな酒器に注がれる日本酒
開封した瓶から小さな酒器に注がれる日本酒 — 写真: Frederick Shaw(Unsplash)

秋田県(本州北部の日本海側にあり、日本有数の酒どころとして知られる)を地盤とする秋田銀行は9月30日、投資専門の子会社あきぎんキャピタルパートナーズが運営するファンドを通じて、東京の真空容器メーカー、インターホールディングス(代表取締役・山口翔氏)に出資したと発表しました。出資は5月に済んでおり、金額は公表されていません。

日本酒は栓を開けると空気に触れ、香りや味わいが少しずつ変わっていきます。加熱殺菌をしない「生酒」のような繊細なタイプほど、その変化は早く表れます。インターホールディングスが開発したのは、日本酒を真空の容器に入れて注ぐサーバーです。酒が空気にさらされるのを抑え、蔵から出荷されたときに近い状態で味わってもらうことを目指しています。

「蔵出し真空酒」の実証が進む

猪口に日本酒を注ぐ様子
猪口に日本酒を注ぐ様子 — 写真: Liana S(Unsplash)

このサーバーで提供する日本酒は「蔵出し真空酒」と呼ばれ、秋田県内ではすでに実証実験が始まっています。秋田市中心部にある県産酒の情報発信拠点「美酒王国秋田 Sake-Navi」にもサーバーが置かれ、来店客が実際に味わえるようになっています。

今回の出資で注目したいのは、地方銀行が酒蔵そのものではなく、酒をどう保ち、どう注ぐかという提供の技術に資金を出した点です。日本の酒業界の関心が「造る」ことだけでなく、「造ったときの味のまま届ける」ことにも広がっている様子がうかがえます。

ヨーロッパで鮮度を意識して味わうには

バーでグラス一杯の酒を注ぐ様子
バーでグラス一杯の酒を注ぐ様子 — 写真: Nano Erdozain(Pexels)

ヨーロッパに届く日本酒は長い距離を旅してきたうえ、バーやレストランでは開けた一本が何週間もグラス売りされることがあります。グラスで注文するときは、いつ開けた瓶かを尋ねてみると、味の違いに気づくきっかけになります。家庭では開封後は冷蔵庫で立てて保存し、生酒は数日以内に飲み切るのが安心です。ワインの世界では空気を遮って注ぐ注出機がすでに広く使われていますが、日本酒でも同じ発想の機器が育ちつつあります。インターホールディングスのサーバーの海外展開は現時点で発表されていませんが、こうした技術が広まれば、開封したての味をグラス一杯から楽しめる店がヨーロッパでも増えるかもしれません。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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