The Sake Wire

羽根屋の精米歩合8%雄町がIWC生トロフィー

富山の富美菊酒造が、雄町を精米歩合8%まで磨いた無濾過生原酒で、ロンドンのIWC2026「Nama Trophy」を受賞した。

猪口に注がれる日本酒のクローズアップ
猪口に注がれる日本酒のクローズアップ — 写真: Frederick Shaw(Unsplash)

日本海に面した本州中部の富山県にある富美菊酒造(ブランド名「羽根屋」)の「羽根屋 DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」が、ロンドンで開かれた国際品評会International Wine Challenge(IWC)2026で、生酒を対象とする「Nama Trophy」を受賞しました。この酒は2025年と2026年のIWCで続けて金賞を受けており、今回のトロフィーは金賞酒の中から改めて審査して選ばれる賞です。

雄町を8%まで磨くということ

精米された白い米粒のクローズアップ
精米された白い米粒のクローズアップ — 写真: Petr Ganaj(Pexels)

雄町は日本で古くから使われている酒米の品種です。背が高く倒れやすいため、育てるのが難しいことで知られます。富美菊酒造によると、この酒のために収穫量が減るのを承知で株の間隔を広く取り、稲を丈夫に育てたといいます。

「精米歩合」は、玄米を削ったあとに残る割合を示す数字です。日本の制度では50%以下まで磨いた純米酒が最上級の「純米大吟醸」にあたります。8%は米粒の92%を削り落とすという意味で、もともと砕けやすい雄町では特に珍しい数字です。「無濾過生原酒」は、炭によるろ過をせず、加熱殺菌(火入れ)を一度もせず、水も加えずに瓶詰めした酒を指します。生酒は一般にフレッシュで生き生きとした味わいになり、原酒なので味も濃くなりやすいのが特徴です。

1,738銘柄の中から選ばれた5度目のトロフィー

IWCでは各国の審査員が銘柄を伏せたまま評価します。2026年のSAKE部門には1,738銘柄が出品され、羽根屋のトロフィー受賞は今回で5度目です。蔵はこの酒の味わいを、軽やかで透明感のある旨味と雄町らしい豊かな余韻、繊細さの中にある深い奥行きと表現しています。

1916年に創業した富美菊酒造は、2012年に一年中酒造りを行う「四季醸造」に切り替えました。いつでも出来たての酒を届けられる蔵として評価を高めています。蔵はすべての酒を大吟醸と同じ手間で造ることを方針にしており、今回の受賞はその積み重ねの成果だと位置づけています。

生酒は火入れをしていないため、ヨーロッパで手に入れるなら冷蔵で輸送・保管されているかを確かめるのが大切です。開けたら冷やしたまま、香りが広がるワイングラスで少しずつ味わうと、透明感のある旨味と雄町の長い余韻の変化を楽しめます。IWCが公開しているトロフィー受賞酒の一覧は、ロンドンの審査員が今どんな日本酒を評価しているかを知る手がかりにもなります。

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