The Sake Wire

飛騨の純米大吟醸、シンガポール航空が追加発注

岐阜県の老舗・天領酒造の純米大吟醸が、シンガポール航空のスイート/ファーストクラスで提供され、追加発注を受けた。

輸出のイメージ
輸出のイメージ — 写真: Athanasios Papazacharias(Unsplash)

日本の中部、岐阜県下呂市の天領酒造(Tenryo Shuzo)が造る純米大吟醸「TENRYO HIDAHOMARE JUNMAI DAIGINJO50」は、2026年の年始からシンガポール航空(Singapore Airlines)のスイートクラスとファーストクラスで提供されています。蔵は8月末、初回分に続く追加発注を受けたと発表しました。追加分は2026年9月1日に出荷されました。一度だけの採用で終わらず、機内で実際に出されたあとに追加の注文につながったことを、蔵は「世界のお客様へ継続して酒を届けられる節目」と位置づけています。

最上級クラスに選ばれた地方の蔵

輸出のイメージ
輸出のイメージ — 写真: Pixabay(Pexels)

天領酒造は1680年創業の老舗で、滋賀県の近江日野商人をルーツに持ちます。蔵がある下呂市は、温泉地として知られる山あいの飛騨地方にあります。蔵の調べによると、岐阜・愛知・三重・静岡の4県からなる東海地域の日本酒蔵で、シンガポール航空のスイート/ファーストクラスに酒が採用されたのは初めてです(2026年8月時点、公表情報と関係先への確認に基づく自社調査)。天領酒造は以前にも、日本航空(JAL)の国際線ビジネスクラスで機内酒として採用されたことがあります。第九代蔵元で社長の上野田又輔氏は、若いころに海外で暮らし、当初は家業を継ぐつもりがなかったと振り返っています。そのうえで、自分たちが飛騨で造った酒がいま世界の空で飲まれていることに大きな意味を感じる、と話しています。

飛騨の米と、硬度約15の超軟水

純米大吟醸は、醸造アルコールを加えずに米・米麹・水だけで造り、米を大きく削って仕込む上位の等級です。「精米歩合50%」とは、米粒の外側を半分削り、中心部だけを使うという意味です。この酒には飛騨で育った酒造好適米「ひだほまれ」を使い、仕込み水には御嶽山系の水を使っています。この水は硬度約15の超軟水で、蔵はやわらかく上品な口当たりと、食事に寄り添う米の旨みを目指しています。米も水も造りもすべて飛騨のもの、というのがこの一本の特徴です。

ヨーロッパでこの話を楽しむなら、ラベルの「ひだほまれ(Hidahomare)」という米の名前に注目してみてください。超軟水で造られた純米大吟醸は、冷やして白ワイン用のグラスで飲むと、穏やかな香りとなめらかな質感がわかりやすくなります。料理は、白身魚のカルパッチョや蒸した野菜など、繊細な味わいの皿が合わせやすいでしょう。航空会社の最上級クラスの酒リストは、日本の地方の小さな蔵の酒が世界の食卓に届く入り口にもなっています。この先、機内のメニューで蔵の名前を見かけたら、その酒の産地にも目を向けてみてください。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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