造りを止めた滋賀の老舗蔵が再起、新酒「湖の誉」
2018年に日本酒造りを休止した滋賀県の山岡酒造が、元取引先の伊吹健さんらに引き継がれ、地元米の新酒「湖の誉」で再出発した。
滋賀県は、日本最大の湖である琵琶湖を抱える京都の東隣の県です。その北部、長浜市高月町にある山岡酒造が、一度は止めた日本酒造りを再び始めました。2026年1月には新体制で初めての新作「湖の誉(こ の ほまれ)純米吟醸」を発売しています。一時は廃業も考えた蔵を救ったのは、蔵の家系の人でも酒造りの専門家でもなく、かつて会社員としてこの蔵と取引をしていた人物でした。
150年続いた蔵に訪れた危機
山岡酒造の創業は1873年です。150年を超える歴史を持ちますが、造り手の高齢化が進み、2018年に自社での日本酒の製造を一時休止しました。4代目の山岡仁蔵さん(89)には跡継ぎがおらず、蔵をたたむことも検討していたといいます。
日本では今、小さな酒蔵の後継者不足が大きな課題になっています。家族経営の蔵が多く、次の世代が継がなければ、長い歴史を持つ銘柄もそのまま消えてしまいます。山岡酒造も、その道をたどりかけていた蔵の一つでした。
元取引先が引き継いだ新しい体制
そこで事業を引き継いだのが、伊吹健さん(57)らです。伊吹さんは会社員だったころ、仕事で山岡酒造と商品の取引をしていました。業界の外から来た人が、取引を通じて知った蔵の価値を守るために承継を決めたかたちです。新体制での酒造りは3年前から始まり、縮小していた事業の立て直しが進んでいます。
家族以外の人や他業種の出身者が蔵を継ぐ例は、日本でも少しずつ増えています。外から来た造り手は、これまでの常識にとらわれない酒を生み出すことがあり、業界に新しい風を吹き込む存在として注目されています。
地元の米で造る、飲みやすい純米吟醸
新作の「湖の誉 純米吟醸」には、同じ長浜市内の三田町で育った酒米が使われています。「純米吟醸」とは、醸造アルコールを加えず、米と米こうじと水だけで造り、米を外側から削って低い温度でゆっくり発酵させた酒のことです。果物や花を思わせる香りが出やすいのが特徴です。
この酒も華やかな香りと甘みが持ち味です。さらにアルコール度数を抑えることで、日本酒に慣れていない人にも飲みやすいように造られています。
ヨーロッパでの楽しみ方
現時点で「湖の誉」がヨーロッパに入っているという情報はありません。ただ、この蔵の話は、日本酒を選ぶときの一つの見方を教えてくれます。ラベルに「Junmai Ginjo」とあれば香りを楽しむタイプの目印で、アルコール度数が低めのものは、日本酒が初めての人や食前の一杯にも向いています。こうした香りの豊かな酒は、少し冷やしてワイングラスに注ぐと香りが立ちます。果物を使った前菜や軽い魚料理とも合わせやすいでしょう。また、酒販店で「蔵を継いだ新しい造り手」の銘柄を探してみるのも、今の日本酒の変化を感じる面白い方法です。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

