酒蔵のイベント出展、7割超が「費用」を課題に
日本の酒蔵の8割超が年5回以上イベントに出展する一方、7割超が出展費用を課題に挙げていることが、日本酒メディアSIPORYの全国調査でわかった。

年10回以上出展する蔵が過半数

日本では、酒造組合の公式試飲会、大規模な試飲イベント、酒蔵が一般公開される「蔵開き」、街の飲食店を巡る飲み歩きなど、日本酒のイベントが一年中各地で開かれています。日本酒専門メディアSIPORY(運営:合同会社Doosin)は2026年7月に「全国酒蔵イベント出展実態調査2026」を行い、39都道府県の141蔵から回答を得ました。過去1年の出展回数は「10回以上」が56.0%、「5〜9回」が27.0%で、あわせて83.0%が年5回以上出展していました。出展の目的(最大3つまで選択)は「認知向上」85.8%と「新規ファン獲得」78.7%が突出しています。「売上向上」を挙げた蔵は48.9%にとどまりました。
費用に見合わない「広報の場」

課題(複数回答)で最も多かったのは「出展費用」の72.3%で、「売上につながらない」が56.7%、「人員不足」と「効果測定が難しい」がそれぞれ41.8%で続きました。自由記述では、イベント単体で見るとほとんどが赤字だという声や、来場者の好意的な反応がその後の購入につながっているのか分からないという声が寄せられています。回を重ねるほど来場者が常連に偏り、若い世代に届きにくいという指摘もありました。SIPORYはこの状況を、採算が合わなくても出展をやめられないジレンマだと分析しています。ただし回答率は約12%で、調査は発表時点では継続中でした。また、実施したSIPORY自身がイベントの主催者でもある点は差し引いて読む必要があります。
次の一手は商談と海外展開

今後参加したいイベントの形式では「酒販店(酒類専門の小売店)向け商談会」が53.9%、「飲食店向け商談会」が50.4%でした。今後強化したい取り組みでは「酒販店開拓」55.3%と「海外展開」54.6%がほぼ並んでいます。一日限りのにぎわいよりも、継続して取り扱ってくれる売り手とのつながりを求めていることがうかがえます。
ヨーロッパの試飲会に並ぶ酒蔵も、少なくない費用と人手をかけて出展しています。気に入った一杯に出会ったら、その場の感想で終わらせないでください。銘柄名と蔵名をメモし、扱っている輸入業者や酒販店を尋ねて実際に購入することが、蔵にとって大きな成果になります。海外展開を強めたい蔵が半数を超える今は、地元の酒販店やレストランに「この酒を置いてほしい」と伝えることも、新しい銘柄がヨーロッパに届くきっかけになりえます。
参考・出典
- PR TIMES(SIPORY/合同会社Doosin)「日本酒イベント、盛況の裏で“費用倒れ”――全国141蔵調査で「出展費用」72.3%・「売上につながらない」56.7%が課題に」
- SAKE Street「毎年開催される全国の日本酒イベント総まとめ!酒造組合公式イベント編」
- SAKE Street「毎年開催される全国の日本酒イベント総まとめ!飲み歩き・蔵開き編」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

