佐渡金山の落ち葉から生まれた酵母で日本酒
世界遺産「佐渡島の金山」の落ち葉で見つかった野生酵母を新潟県が実用化し、佐渡の5つの酒蔵がこの酵母で仕込みを始めた。

新潟県の沖、日本海に浮かぶ佐渡島で、珍しい来歴を持つ日本酒が造られています。ユネスコ世界文化遺産「佐渡島の金山」の落ち葉から見つかった野生の酵母を、新潟県醸造試験場(県の酒造り研究機関)が酒造りに使えるよう育て上げました。島内の5つの酒蔵が、昨年12月にこの酵母で仕込みを始めています。共同通信が伝えました。
島じゅうを探して、見つかったのは1カ所だけ

きっかけは、佐渡の5つの酒蔵が2021年から続けている地酒の共同PRです。新潟大学などがかつて藤の花から日本酒向きの酵母を見つけた例を知り、「島でも自分たちの酵母を探したい」という声が上がりました。
佐渡酒造協会の依頼を受けた試験場などは2023年、果樹園のリンゴ、寺のアジサイ、陶芸の窯元など島内56カ所でサンプルを集めました。酵母は、酒の香りや味の個性を大きく左右する微生物です。その中で日本酒造りに向く酵母が見つかったのは、ただ1カ所。金山を象徴する採掘跡「道遊の割戸(どうゆうのわりと)」周辺の落ち葉でした。山が真っ二つに割れたように見える、金の採掘で削られた場所です。
野生の力を、酒蔵で使える力に

自然界からとれた酵母は、そのままでは発酵する力が弱いのが難点です。試験場は既存の醸造用酵母との掛け合わせを何度も重ねて培養し、2024年末ごろに実用化にこぎつけました。できあがった酵母は、野生を思わせる荒々しさと、華やかな香りの両方を持つといいます。
佐渡酒造協会の加藤一郎代表は、この巡り合わせを「酒の神様が結んでくれた縁」のようだと表現しています。
ヨーロッパでの楽しみ方
この酒がヨーロッパに届くかどうかはまだわかりませんが、佐渡島の蔵の日本酒は、専門店や輸入業者の取り扱いの中で見かけることがあります。ラベルや商品説明で「佐渡(Sado)」の産地名や使用酵母の記載に注目してみてください。日本酒では、同じ米と水でも酵母が変われば香りの表情が変わることがあります。華やかな香りを楽しむなら、口の広いワイングラスで少し冷やして味わう方法もあります。土地の微生物が生んだ「テロワール」を味わう一杯として、覚えておきたい話題です。
参考・出典
- 共同通信(Infoseekニュース)「佐渡金山の葉酵母で日本酒造り 新潟県の試験場が培養し実用化」
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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