秋田産ホップと地元酵母の地ビール「大綱麦酒」
秋田県大仙市の住民団体と秋田あくらビールが造るペールエール「大綱麦酒」が、県産ホップと地元生まれの酵母を使い、2000本限定で発売された。

日本の地ビールには、その土地の水や穀物を使うものが少なくない。そのなかで、仕込み水、穀物、酵母、ホップを地元や県内の産でそろえた一本がある。本州北部の日本海側にある秋田県大仙市(だいせんし)の西仙北(にしせんぼく)地域で造られた「大綱麦酒(おおつなビール)」だ。地域の住民団体「大沢郷地域おこし組合」と、秋田市のクラフトビール醸造所「秋田あくらビール」が共同で開発し、今年は7月から2000本限定で販売された。
水と穀物を地元で集める

大綱麦酒が生まれたのは2020年。大仙市が進める、地域の魅力を見直す事業のひとつとして企画された。仕込み水には、大沢郷地区に湧く「雄清水」と「雌清水」という二つの湧き水を使う。さらに、西仙北で収穫された小麦と米も原料に加えている。水と穀物の両方を、同じ地域でそろえている点が特徴だ。
県産ホップ「IBUKI」と地元生まれの酵母

ビールの香りはホップが、発酵の個性は酵母が大きく左右する。大綱麦酒では、ホップに秋田県内で栽培された「IBUKI(いぶき)」を使う。酵母は、同じ地域にある秋田今野商店で生まれたものだ。香りと発酵という二つの要素がどちらも秋田ゆかりで、この点が大綱麦酒の大きな特徴になっている。スタイルはペールエール。上面発酵で造る英国生まれのビールで、麦芽の風味とホップの香りのバランスを楽しむタイプだ。大綱麦酒は飲み口がすっきりしており、柑橘を思わせるフルーティーな香りが立つ。
小さな醸造量で地域を支える

容量は330mlで、参考価格は1本590円。売上1本につき10円が、大沢郷地区のさまざまな活動に使われる。大量生産ではなく、地元の原料で少量を造り、売上の一部を地域に戻す。日本の地ビールの一つのあり方を示す例といえる。
本数がごく少ないため、大綱麦酒そのものをヨーロッパで手に入れるのは難しい。ただ、日本の米や日本で育ったホップを使ったクラフトビールは、専門店や日本食材店で見つかることがある。ラベルの原料表示で「rice」やホップの品種名を確かめてみるとよい。ペールエールは冷やしすぎず、8〜10℃くらいで飲むと柑橘系の香りが開きやすい。揚げ物や、レモン・柚子を使った料理と合わせれば、日本の地ビールらしい軽やかさを楽しめる。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

