The Sake Wire

秋田産ホップと地元酵母の地ビール「大綱麦酒」

秋田県大仙市の住民団体と秋田あくらビールが造るペールエール「大綱麦酒」が、県産ホップと地元生まれの酵母を使い、2000本限定で発売された。

柑橘の香りが立つ、澄んだ琥珀色のペールエール
柑橘の香りが立つ、澄んだ琥珀色のペールエール — 写真: Evgeniy Alekseyev(Pexels)

日本の地ビールには、その土地の水や穀物を使うものが少なくない。そのなかで、仕込み水、穀物、酵母、ホップを地元や県内の産でそろえた一本がある。本州北部の日本海側にある秋田県大仙市(だいせんし)の西仙北(にしせんぼく)地域で造られた「大綱麦酒(おおつなビール)」だ。地域の住民団体「大沢郷地域おこし組合」と、秋田市のクラフトビール醸造所「秋田あくらビール」が共同で開発し、今年は7月から2000本限定で販売された。

水と穀物を地元で集める

森の中から湧き出す澄んだ湧き水
森の中から湧き出す澄んだ湧き水 — 写真: Public Domain Pictures(Pexels)

大綱麦酒が生まれたのは2020年。大仙市が進める、地域の魅力を見直す事業のひとつとして企画された。仕込み水には、大沢郷地区に湧く「雄清水」と「雌清水」という二つの湧き水を使う。さらに、西仙北で収穫された小麦と米も原料に加えている。水と穀物の両方を、同じ地域でそろえている点が特徴だ。

県産ホップ「IBUKI」と地元生まれの酵母

収穫されたばかりの緑色のホップの毬花
収穫されたばかりの緑色のホップの毬花 — 写真: Joerg Hartmann(Pexels)

ビールの香りはホップが、発酵の個性は酵母が大きく左右する。大綱麦酒では、ホップに秋田県内で栽培された「IBUKI(いぶき)」を使う。酵母は、同じ地域にある秋田今野商店で生まれたものだ。香りと発酵という二つの要素がどちらも秋田ゆかりで、この点が大綱麦酒の大きな特徴になっている。スタイルはペールエール。上面発酵で造る英国生まれのビールで、麦芽の風味とホップの香りのバランスを楽しむタイプだ。大綱麦酒は飲み口がすっきりしており、柑橘を思わせるフルーティーな香りが立つ。

小さな醸造量で地域を支える

グラスに注がれたペールエール。琥珀色の液体と白い泡、柑橘(レモンなど)を添えた構図
グラスに注がれたペールエール。琥珀色の液体と白い泡、柑橘(レモンなど)を添えた構図 — 写真: cottonbro studio(Pexels)

容量は330mlで、参考価格は1本590円。売上1本につき10円が、大沢郷地区のさまざまな活動に使われる。大量生産ではなく、地元の原料で少量を造り、売上の一部を地域に戻す。日本の地ビールの一つのあり方を示す例といえる。

本数がごく少ないため、大綱麦酒そのものをヨーロッパで手に入れるのは難しい。ただ、日本の米や日本で育ったホップを使ったクラフトビールは、専門店や日本食材店で見つかることがある。ラベルの原料表示で「rice」やホップの品種名を確かめてみるとよい。ペールエールは冷やしすぎず、8〜10℃くらいで飲むと柑橘系の香りが開きやすい。揚げ物や、レモン・柚子を使った料理と合わせれば、日本の地ビールらしい軽やかさを楽しめる。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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