The Sake Wire

御岳蒸留所×台湾アート、シェリー樽の限定4本

焼酎の老舗、鹿児島の西酒造が営む御岳蒸留所の原酒を、長年使われてきたシェリー樽で熟成し、台湾の芸術家がラベルを描いた限定ウイスキー4種が発表された。

ウイスキー(イメージ)
ウイスキー(イメージ) — 写真: Thomas Park(Unsplash)

日本の酒の銘品を海外へ紹介する東京の株式会社morning glory(代表取締役:手塚大介)は、2026年6月27日、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で限定ウイスキーのプロジェクトを公開しました。原酒は鹿児島県の御岳蒸留所のもので、ラベルは台湾の芸術家、謝義錩(Idea Hsieh)氏が描いています。「地・水・火・風」をテーマにした4種類があり、それぞれ世界で約500本、日本国内での販売は各8本だけです。海外のコレクターを強く意識した企画だといえます。

焼酎の老舗が手がける新しい蒸留所

鹿児島県は九州の南端にあり、サツマイモなどを原料にする日本の蒸留酒「焼酎」の一大産地です。御岳蒸留所を運営する西酒造は、焼酎造りでおよそ200年の歴史を持つ蔵元です。蒸留所は、鹿児島湾に浮かぶ火山・桜島(古い呼び名が「御岳」)を望む山の上にあり、ウイスキーの蒸留を始めたのは2019年です。ウイスキーの造り手としては新しい蒸留所ですが、長く蒸留酒を造ってきた蔵元の経験が土台になっています。

30〜40年使われたシェリー樽と、加水しない仕上げ

見出しにある「30〜40年」は、ウイスキーの熟成年数ではなく樽の使用年数のことです。スペイン・ヘレス地方で30〜40年にわたりシェリーの熟成に使われてきた「ノンシーズニング」の樽を使っています。ノンシーズニングとは、ウイスキー用に短期間だけシェリーをなじませた樽ではなく、実際にシェリーを育ててきた樽という意味です。瓶詰めは加水しないカスクストレングスで、樽ごとにシリアルナンバーが入ります。本数は樽の状態によって変わるとしています。

台湾のアートとコレクター文化から生まれた企画

謝氏は1949年、台湾・新竹の生まれです。1980年代には台湾のデザイン団体の理事長として、横尾忠則氏ら日本のデザイナーを台湾に招きました。2012年以降は芸術の制作に専念しています。企画のきっかけをつくったのは、台湾でウイスキーミュージアム「Chief Whisky」を創設した張慶清氏です。38年以上にわたり日本との貿易に携わってきたコレクターで、西酒造の西社長と意気投合したことからこのプロジェクトが始まったといいます。

ヨーロッパの読者にとっての注目点は、日本の若い蒸留所が、スペイン産の本物のシェリー樽と台湾のアートを組み合わせ、最初から世界市場に向けて発信していることです。4種はそれぞれ世界で約500本しかないため、入手を狙うならオークションや専門店の限定品情報を追うのが現実的です。もし味わう機会があれば、まずはストレートで香りを確かめ、次に水を数滴加えて、シェリー樽由来の甘みがどう開いていくかを比べてみてください。

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