世界遺産の村・白川郷に新酒蔵、山田錦を村で育てる構想
岐阜県飛騨市の渡辺酒造店が、白川郷で知られる白川村に2027年4月の開業を目指して酒蔵を整備しており、住民に酒米・山田錦の栽培を呼びかけました。

小学校の跡地に生まれる「白川村の蔵」

白川村は、日本の中部にある岐阜県の北西部の山あいの村です。急な茅葺き屋根の合掌造り集落「白川郷」があり、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。この村の鳩谷(はとがや)地区にある旧白川小学校の跡地で、酒蔵「白川村の蔵」の工事が進んでいます。運営するのは、隣の飛騨市にある酒蔵、渡辺酒造店です。開業は2027年4月の予定です。7月13日には工事中の現場で説明会が開かれ、地域の住民など約50人が参加しました。説明会では、酒米を育てる田んぼの候補地や、工事の進み具合が紹介されました。
「酒米の王様」山田錦を、雪深い村で
説明会で蔵が住民に頼んだのは、村の田んぼで山田錦を育てることです。山田錦は、日本酒造りに向く米(酒造好適米)の代表的な品種で、「酒米の王様」と呼ばれます。1936年に兵庫県の農業試験場で生まれ、今も主な産地は兵庫県です。この米で造った酒は、味のバランスが良いといわれます。一方、寒い地域では稲刈りの前に冬が来てしまうため、成長の早い品種が選ばれることが多いとされます。雪の多い白川村で山田錦がどう育つかは、この計画の大きな注目点です。原料の米まで地元で育てる酒は、その土地を映す酒になるでしょう。
ヨーロッパの読者が注目したいこと
新しい蔵の酒が海外に届くのは、まだ先の話です。それでも、今からできる楽しみ方があります。まず、ラベルに「山田錦」とある日本酒を、ワイングラスで飲んでみてください。ヨーロッパの日本酒店でもよく見かける米です。「純米」や「吟醸」といった等級の表示と組み合わせて見ると、米の違いが味にどう出るかがわかりやすくなります。そして、白川村の米で造った酒が生まれたら、兵庫の山田錦の酒と飲み比べてみてください。同じ品種でも、育った土地によって味が変わるのか。ワインのテロワールと同じ見方で楽しめます。
参考・出典
- 47NEWS(中日新聞)「岐阜県白川村で来春開業目指す酒蔵が現地説明会 住民らに酒米「山田錦」栽培呼びかけ」
- SAKE Street「山田錦ってどんな酒米? - 「酒米の王様」と呼ばれる酒米の系譜、特徴、生産地、日本酒の味わいを解説」
- SAKE Street「五百万石(ごひゃくまんごく)とは? 淡麗辛口ブームを牽引した酒米の系譜、特徴、産地、日本酒の味わいを解説」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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