福岡市初のジン蒸留所、地元素材を一本に
福岡市で初めてスピリッツ製造免許を得たリトルフラワー蒸留所が開業し、和紅茶や海藻など福岡の素材の原酒を合わせた「福岡ジン」を9月に発売した。

日本の南西部、九州の北に位置する福岡市に、新しいクラフトジンの蒸留所が生まれた。株式会社Little Flower Fukuokaが運営する「Little Flower Distillery(リトルフラワー蒸留所)」で、2026年8月8日に市中心部の中央区赤坂で開業した。福岡税務署への確認によると、福岡市内でスピリッツの製造免許を取得した事業者はここが初めてだという。主力の「福岡ジン」は9月10日に一般発売された。
街と海と山を、原酒のブレンドで表す
福岡ジンは、ジンの基本となるジュニパーベリーに、福岡県内の素材を組み合わせている。県南部の茶どころ八女(やめ)で作られる「和紅茶」(日本で栽培・製造された紅茶)、福岡市西隣の糸島で採れる柑橘「はるか」、県内の山で採れるクロモジ(日本で香木として使われるクスノキ科の低木)、博多湾のアオサ(海藻の一種)だ。すべての素材をまとめて蒸留するのではなく、素材ごとに原酒を造り、それをブレンドして仕上げる。都市のすぐそばに海と山がある福岡の地形を、一本のジンの中で表現する狙いがある。和紅茶は創業140年の茶園「吉泉園」のものを使っている。
食事に合わせるジンという考え方
蒸留所が掲げるのは、食事と一緒に飲むジンだ。料理の味を邪魔せず、食事の最後まで心地よく寄り添うかを基準にレシピを組み立てた。和紅茶のやわらかな甘み、はるかの明るい柑橘の香り、アオサのうま味に、ジンらしい清涼感が加わった軽い味わいを目指している。すすめる飲み方はソーダ割りや水割り。アルコール度数は43%、容量は500mlで、国内の希望小売価格は税込4,620円。蒸留所では、蒸留に使ったあとの和紅茶やはるかでクッキーや焼き菓子を作り、併設のカフェで出している。素材を使い切り、廃棄を減らすための取り組みだ。
ヨーロッパでの楽しみ方
現時点で、ヨーロッパでの販売予定は発表されていない。代表の梶原礼二郎氏は、地元で愛される一本がいずれ全国、そして世界に届くことを目指すと語っている。今後日本のジンを選ぶときは、ボタニカルを一度に蒸留するのか、素材ごとに原酒を造ってブレンドするのかに注目すると、造り手の考え方が見えてくる。紅茶や海藻を使った日本のジンは、ソーダで割って魚料理や軽い前菜と合わせるとその特徴がよくわかる。新しい情報は蒸留所の公式Instagramで確認できる。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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