The Sake Wire

IT業界から醸造家へ 埼玉・毛呂山にゆずのクラフトビール

埼玉県毛呂山町の駅前で、IT業界に長く勤めた60歳の男性が、町の特産のゆずを使ったビールを造るクラフトビール醸造所を開きました。

クラフトビール(イメージ)
クラフトビール(イメージ) — 写真: Andrew Patrick Photo(Pexels)

東京の北西に位置する埼玉県の小さな町、毛呂山町(もろやままち)に、新しいクラフトビール醸造所「ウィンターランドブルワリー(Winterland Brewery)」ができました。場所は東武越生線の東毛呂駅の前です。2026年6月5日に税務署から製造免許を受け、本格的に醸造を始めました。代表の野呂正孝さん(60)は、長年IT業界で働いてきた人物です。日本のクラフトビールの世界に、また一人、別の業界から造り手が加わりました。

ビール好きが高じて、キャリアを転換

野呂さんは大のビール好きで、その情熱から長く勤めたIT業界を離れ、醸造の道を選びました。醸造所は妻の三恵子さんと二人三脚で営んでいます。取得した免許は「発泡酒」の製造免許です。日本の酒税法では、決められた原料以外のもの(果物など)を一定量使ったビールは「発泡酒」に分類されます。また、発泡酒の免許はビールの免許より年間の最低製造量が少なく、小さな醸造所の多くがこの免許で始めています。ヨーロッパの読者が想像する「クラフトビール」と中身はほぼ同じで、違いは主に日本の税法上の分類です。

特産のゆずと、醸造所に併設した飲食店

毛呂山町はゆずの産地として知られ、醸造所ではこの特産のゆずを使ったビールの開発にも取り組んでいます。醸造タンクのある部屋の隣には、ビールに合う料理を出す直営の飲食店も建てました。野呂さんは、この醸造所を「町の新しい魅力を発信する拠点」にしたいと話しています。地元の農産物を生かし、造る場所と飲む場所をひとつにするという形は、ヨーロッパのブルーパブ文化にも通じます。

ヨーロッパでの楽しみ方

柑橘の香りをまとったクラフトビール
柑橘の香りをまとったクラフトビール — 写真: Timothy Dykes(Unsplash)

ウィンターランドブルワリーのビールがヨーロッパで手に入るという情報は、今のところありません。それでも、この話はヨーロッパのクラフトビール好きにも身近です。ゆずのビールは、日本のクラフトビールでよく見られるスタイルの一つです。専門店で日本のビールを見かけたら、ラベルの「Yuzu」の文字を探してみてください。ゆずの香りは、レモンよりも花のようで、グレープフルーツやマンダリンに近い、苦みを含んだ爽やかさが特徴です。白身魚のカルパッチョや天ぷら、塩で味付けした鶏肉など、軽い料理と合わせやすいでしょう。小さな町の新しい醸造所が、地元の柑橘でどんな一杯を造るのか。日本のクラフトビールの広がりを知る一例として、名前を覚えておく価値があります。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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