木桶山廃の新酒、ミラノで純米プラチナ賞
茨城県の萩原酒造が木桶で仕込んだ初の純米酒「Rooted Light」が、ミラノの品評会で純米部門の最高賞と、生ハム・トリュフとのペアリング賞2つを受けた。
茨城県境町の萩原酒造が、2026年に始めた木桶仕込みの新シリーズから最初の一本を送り出しました。その「萩原 FORESTシリーズ Rooted Light」が、イタリアの日本酒コンペティション「Milano Sake Challenge 2026」で三つの賞を受けています。純米部門では最高位のプラチナ賞でした。さらに料理との相性を審査する部門でも、サン・ダニエーレ産の生ハムとトリュフの2カテゴリーで「Best Food Pairing Award」を獲得しました。茨城県は東京の北東にある県です。萩原酒造は1855年創業の、境町でただ一つの酒蔵です。
新しい木桶から生まれた最初の酒

木桶仕込みは、ステンレスやホーローのタンクが広まる前の造り方です。木の桶には微生物がすみつくため、酒に独特の複雑さが出るとされます。FORESTシリーズは、この木桶と、生酛(きもと)や山廃(やまはい)といった伝統的な製法を軸にしています。どちらも、自然の乳酸菌の力を借りて発酵の土台となる酒母を時間をかけて育てる方法で、深みのある味わいになりやすいのが特徴です。萩原酒造はシリーズを始めるにあたり、木桶づくりの技術を受け継ぐ全国的な取り組み「木桶職人復活プロジェクト」の職人を招きました。境町の道の駅で新しい桶を組み上げ、その桶で最初に醸したのがRooted Lightです。使った米は茨城県産の日本晴だけで、醸造アルコールを加えない純米酒です。アルコール度数は15度。七代目の萩原康久さんが杜氏(酒造りの責任者)を務めています。萩原さんは2024年、茨城県が認定する「常陸杜氏」の資格を取りました。
イタリアの審査員が評価したポイント
Milano Sake Challengeでは、酒ソムリエの資格を持つイタリアの専門家らが審査します。味わいに加えて、ボトルのデザインやイタリア料理との相性も評価の対象です。審査員が挙げたのは、麦わら色に淡い緑がかった澄んだ色と、ヨーグルトを思わせる乳製品の香りや穀物の力強い香りでした。口に含むと丸みのある質感で、強い旨味とやさしい甘みを、長く続く爽やかな酸がまとめます。審査員はこの酒を、伝統的な純米酒の枠を超えた繊細で現代的な解釈だと評しました。生ハムとの組み合わせでは、ハムの旨味と甘みを引き出す力が認められ、生ハムメロンのような相乗効果にもたとえられました。トリュフとの組み合わせでは、酒の骨格がトリュフの土や森を思わせる香りを支えたと評価されています。ヘーゼルナッツやドライフルーツのようなニュアンスも、高く評価された点です。
ヨーロッパでの楽しみ方
日本での価格は720mlで2,970円(税込)です。ヨーロッパでの取り扱いについては、今回の発表では触れられていません。それでも、ヨーロッパの台所にある食材とこれほどはっきり結びついた受賞は、日本酒を選ぶときの一つの手がかりになるでしょう。蔵は、冷やしすぎずに平たい盃やおちょこで飲むことを勧めています。ワインのように冷蔵庫から出したての温度で飲むより、少し温度を上げたほうが、木桶由来のウッディな香りと米の旨味が開きやすいと考えられます。生ハムやトリュフを使ったパスタ、熟成チーズと合わせたいときは、ラベルに「木桶」「山廃」「生酛」と書かれた純米酒を探してみてください。似た方向性の一本に出会えるかもしれません。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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