The Sake Wire

前橋のクラフトジンKWELI、ハワイから米国輸出へ

群馬県前橋市の双子蒸留所が、前橋産きゅうりを使うクラフトジン「KWELI」の米国輸出を始め、ハワイを最初の市場に選んだ。

前橋の双子蒸留所がハワイから始める、クラフトジン「KWELI」の海外輸出
前橋の双子蒸留所がハワイから始める、クラフトジン「KWELI」の海外輸出 — 画像提供: 双子蒸留所(PR TIMES)(プレスリリースより)

日本とアメリカの2人が共同で営む小さな蒸留所が、自社のジンを太平洋の向こうへ送り出し始めた。群馬県前橋市の双子蒸留所(Futago Distillery)は2026年8月、クラフトジン「KWELI(クウェリ)」の海外輸出を始めると発表した。最初の市場はハワイで、秋ごろにカリフォルニア、その後にニューヨークへ広げる計画だ。群馬県は東京の北西にある内陸の県で、前橋はその県庁所在地にあたる。

最初の市場にハワイを選んだ理由

双子蒸留所のクラフトジン「KWELI」
双子蒸留所のクラフトジン「KWELI」 — 画像提供: 双子蒸留所(PR TIMES)(プレスリリースより)

双子蒸留所は2023年4月の設立。共同代表は、前橋に拠点を置く二口圭介(Keisuke Futakuchi)氏と、米カリフォルニア州ロスアルトスに住むジャン=リュック・カイイジレ(Jean-Luc Kayigire)氏だ。同社は「分断した世界をつなぎ直す」ことを使命に掲げている。ハワイは日米の人と文化が長く交わってきた場所で、戦争の歴史を経て今の両国関係が築かれたことを感じさせる土地でもある。同社はこうした理由から、最初の市場にハワイを選んだと説明している。第一便は8月20日に出荷され、1パレット・64ケース・計384本という小さな量だった。

前橋産きゅうりの「Green」とジュニパーだけの「White」

KWELIのボトル(プレスリリースより)
KWELIのボトル(プレスリリースより) — 画像提供: 双子蒸留所(PR TIMES)(プレスリリースより)

KWELIの商品は2種類ある。「White」は、ジンの香りの主役であるジュニパーベリー(西洋ネズの実)の味を引き出すため、ほかのボタニカル(香り付けに使う植物)を加えずに造ったジンだ。「Green」は前橋産のきゅうりと数種類のボタニカルを漬け込んでから蒸留し、瓜のやわらかな香りが広がる爽やかな味わいに仕上げている。国内での価格は税込で200mlが2,200円、500mlが4,500円、750mlが6,600円。2026年には、東京のフォーシーズンズホテルのバー「VIRTÙ(ヴェルテュ)」や、1 Hotel Tokyoの「Spotted Stone」など、五つ星ホテルのバーでも使われるようになった。

小さな蒸留所の段階的な輸出モデル

群馬県前橋市の双子蒸留所(プレスリリースより)
群馬県前橋市の双子蒸留所(プレスリリースより) — 画像提供: 双子蒸留所(PR TIMES)(プレスリリースより)

注目したいのは、市場の選び方と順番だ。いきなり全米に売り出すのではなく、3つの地域に1つずつ役割を持たせて順に進める。ハワイは創業の理念を象徴する最初の市場、カリフォルニアはクラフトスピリッツ文化が成熟した市場で、共同代表が住むロスアルトスを起点にする。ニューヨークはブランドを世界へ発信する拠点という位置づけだ。同社は前橋とロスアルトスを、2人の創業者でつながる「Twin City」と考えている。今後は海外のバーテンダーや業界関係者を前橋に招く取り組みも検討しており、海外で得たつながりを地元に還元したいとしている。

ヨーロッパでの発売は、今のところ発表されていない。それでも、生産量の少ない蒸留所が人のつながりを足がかりに市場を1つずつ開いていく進め方は、EUに日本のクラフトスピリッツを紹介する際の参考になる。新しい市場の情報は公式Instagram(@futago.distillery)で確認できる。日本のきゅうりジンを見つけたら、まずはGreenをトニックかソーダで割り、瓜の青い香りを確かめてみてほしい。ジュニパーだけで造るWhiteは、マティーニのようなシンプルなクラシックカクテルに使うと、蒸留所の考え方がよく伝わるだろう。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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