北海道・富良野に新ウイスキー蒸留所が着工
小諸蒸留所を運営する軽井沢蒸留酒製造が、北海道富良野市で「富良詩蒸留所」を着工し、2029年秋頃の開業を目指す。

日本のウイスキーの造り手がまた一つ北へ向かいました。長野県の小諸蒸留所を運営する軽井沢蒸留酒製造株式会社(Karuizawa Distillers Inc.、以下KDI)は2026年6月15日、北海道富良野市で新しい蒸留所「富良詩(ふらりす)蒸留所」の起工式を行いました。北海道は日本の最北の島で、富良野はその中央部にある丘陵地です。開業は2029年秋頃の予定で、富良野の四季を生かした熟成で、輸出も見すえたブランドづくりを目指します。
西武グループ・富良野市との三者の計画

計画地は、西武グループが1972年のスキー場開業以来リゾートを運営してきた「プリンスグランドリゾート富良野」のエリア内です。2025年6月にKDI、西武ホールディングス、富良野市の三者が基本合意を結び、2026年3月には事業協定と土地の長期賃借契約が交わされました。もともとは西武の所有地に熟成庫を置けないかという相談から始まり、蒸留所の建設へと話が広がったといいます。施設ではウイスキーの製造のほか、見学やテイスティング、飲食も提供する予定です。富良野市はこの計画を、雇用や観光だけでなく輸出ブランドを生む取り組みとして位置づけています。
小諸から富良野へ、三段階で育てるブランド

KDIは2019年に創業し、共同創業者の一人イアン・チャン(Ian Chang)氏はウイスキーの造り手として知られています。2023年に開業した小諸蒸留所はシングルモルトを造っており、2024年には「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」で蒸留所のツーリズム部門の特別賞を受けました。小諸のシングルモルトは2026年11月に初めて出荷されます。富良詩のブランドは蒸留所の完成を待たずに始まります。第一弾の「富良詩エディション」は小諸で造った原酒を使い、次の「富良詩リザーブ」は富良野で熟成させ、最終的には富良野で蒸留・熟成した「富良詩ウイスキー」へ進む計画です。寒暖差の大きい北国の気候が熟成にどんな個性を与えるかが、この計画の核心です。
ヨーロッパでの楽しみ方

富良野産の原酒が飲めるのはまだ何年も先ですが、今から追える話があります。まずは2026年11月の小諸蒸留所の初出荷です。富良詩エディションの土台になる原酒なので、ヨーロッパで入手できたら少量の加水で香りの変化を確かめてみてください。その後はエディション、リザーブ、富良野で蒸留したウイスキーと段階を追って飲み比べると、同じ造り手の原酒が土地と気候によってどう変わるかがわかります。日本の新しい蒸留所の成長を、ボトルごとに見届けられる珍しい機会です。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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