The Sake Wire

円高下の福島・ほまれ酒造、輸出比率20%へ

急な円高のなか、福島県喜多方市のほまれ酒造は為替に左右されにくいブランド力を強め、売上に占める輸出の比率を15%から20%へ引き上げる方針です。

輸出のイメージ
輸出のイメージ — 写真: Athanasios Papazacharias(Unsplash)

2026年9月、長く続いた円安から一転して円高が急に進みました。9月8日には一時1ドル152円台後半をつけています。日本の酒蔵にとって、円安は海外で価格競争力を保つ追い風でした。為替が逆に動いたいま、造り手はどう構えているのでしょうか。福島県の酒蔵の例から見ていきます。

商談会で聞かれたのは「懸念」より「期待」

輸出のイメージ
輸出のイメージ — 写真: Pixabay(Pexels)

9月9日、福島県郡山市で、日本貿易振興機構(ジェトロ)の福島事務所と地元の東邦銀行が商談会を開きました。海外での販路を広げたい県内の食品関連企業21社が参加し、国内の商社と話し合いました。福島県によると、2024年度の県産品の輸出額は15億8500万円で、2019年度のおよそ2倍です。この伸びを支えたのが円安でした。それでも会場では、円高を心配する声より、販路拡大に期待する声の方が多く聞かれました。東京の商社、愛宕商事の担当者は、今回の円高は一時的なもので円安傾向は続くとみています。

北米が輸出の8割を占める、ほまれ酒造

商談会に参加した企業の一つが、福島県西部・会津地方の喜多方市にあるほまれ酒造です。約20年前に輸出を始め、海外での売上を年々伸ばしてきました。国際的なコンテストで最高賞を受けた日本酒や、果物の風味を楽しめるリキュールが人気だといいます。唐橋裕幸社長によると、主な輸出先はアメリカとカナダで、北米を合わせると輸出額の約8割になります。

為替より「少し高くても選ばれる」商品を

日本酒を注いだ器が置かれたテーブル
日本酒を注いだ器が置かれたテーブル — 写真: Gu Ko(Pexels)

日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本の酒は海外でも注目を集めています。ほまれ酒造は円高を警戒しながらも、売上に占める輸出の比率を現在の15%から20%へ引き上げたい考えです。唐橋社長は、蔵にできることは限られているとしたうえで、ブランド力を高め、価格が少し高くても手に取ってもらえる商品を造ることが一番だと話しています。一方で、日本銀行の利上げによって日米の金利差が縮まることも意識されており、円相場の先行きはまだ見通せません。

円高が続けば、ヨーロッパに届く日本酒の仕入れ値にも影響が出る可能性があります。ただ、この取材から見えてくるのは、値下げで売るのではなく、品質とブランドで選ばれようとする造り手の姿勢です。店頭やレストランのリストで日本酒を選ぶときは、価格だけでなく、国際コンテストの受賞歴や蔵の産地にも目を向けてみてください。福島県は日本の東北地方にあり、会津地方は酒どころとして知られています。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

秋田の酒を EU で試す — €6 から

180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

ショップへ →