The Sake Wire

白神山地ゆかりの原料で醸す日本酒「福八」

世界自然遺産・白神山地にゆかりのある米と水、秋田杉の樽、雪室にこだわった日本酒「福八」が約1500本発売された。

ブナの原生林と沢の流れ(イメージ)
ブナの原生林と沢の流れ(イメージ) — 写真: Uroš Drljača(Pexels)

建設会社が企画した日本酒

秋田県は、本州北部の日本海側にある米どころです。その北西部の能代市にある建設会社・大森建設(社長:大森三四郎氏)が企画した、独自ブランドの日本酒「福八(Fukuhachi)」が販売されました。地元紙の秋田魁新報によると、白神山地にゆかりのある原料を使って醸造され、販売本数は約1500本です。酒蔵ではなく、酒造りとは別の業種の地元企業がブランドを立ち上げた点が、この酒の特徴です。

白神山地の米、水、杉、雪

ブナの森を流れる清らかな沢
ブナの森を流れる清らかな沢 — 写真: - landsmann -(Pexels)

白神山地は秋田県と青森県にまたがる山地です。人の手がほとんど入っていないブナの原生林が広がり、1993年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。福八は、この山地にゆかりのある米と湧き水、秋田杉の樽、雪室の4つにこだわったブランドだと伝えられています。秋田杉は秋田を代表する木材です。日本では、杉の樽に入れて木の香りを移した酒を「樽酒」と呼びます。雪室とは、冬に積もった雪を詰めて低い温度と高い湿度を保つ貯蔵庫のことで、雪の多い地域では昔から酒や野菜の保存に使われてきました。一方で、米の品種、精米歩合(米をどれだけ削ったかを示す数値)、樽や雪室をどの工程で使ったかといった細かい情報は、公開されている範囲では確認できませんでした。

ヨーロッパでの楽しみ方

杉の香りの樽酒に合う燻製料理
杉の香りの樽酒に合う燻製料理 — 写真: Caroline Ross(Unsplash)

約1500本という数を考えると、福八そのものがヨーロッパに届く見込みは今のところ低いでしょう。それでも、この酒が組み合わせた要素はヨーロッパでも味わえます。杉樽で香りを付けた樽酒は輸出向けにも造られているので、ワインやウイスキーの樽熟成との違いに注目して飲み比べるのも一案です。杉の香りはすっきりとしていて、燻製や焼き物の料理と合わせやすいとされています。ラベルに「雪室貯蔵」や英語で「snow-aged」と書かれた酒を見つけたら、冷やしすぎずに、低い温度でゆっくり寝かせた酒の穏やかな口当たりを確かめてみてもよいでしょう。原料が育った土地の自然を一本の酒で表そうとする考え方は、テロワールを大切にするヨーロッパの読者にもなじみやすいはずです。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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