The Sake Wire

会社員が212年の酒蔵「敷嶋」を復活

2000年に酒造りをやめた愛知県半田市の老舗蔵を、通信会社を辞めた9代目が再興し、蔵の味と香りを生む「立役者」も呼び覚ました。

酒蔵(イメージ)
酒蔵(イメージ) — 写真: Cindy Bissig(Unsplash)

日本では2000年代以降も、酒蔵の廃業が相次いでいます。そのなかで、いったん免許を返した蔵がもう一度酒を造り始めるのは、とても珍しいことです。毎日新聞は、愛知県半田市の酒蔵を会社員出身の一族の後継者が再興した経緯を伝えました。愛知県は東京と大阪の間にある中部地方の県で、半田市は名古屋の南、海に面した知多半島にあります。

212年の歴史と一度目の幕引き

伝統的な酒蔵に並ぶ木製の酒樽(イメージ)
伝統的な酒蔵に並ぶ木製の酒樽(イメージ) — 写真: Lea Haslinger(Pexels)

蔵の前身は、1788年創業の伊東合資会社です。銘柄「敷嶋」で知られ、かつて名古屋の税務当局がまとめた酒蔵の番付では「東の横綱」に数えられました。中部地方を代表する蔵のひとつだったといえます。酒のほかに味噌や醤油も造り、銀行業も営んでいました。しかし、日本の日本酒消費量は1973年をピークに減り続け、この蔵も経営が苦しくなります。2000年には清酒の製造免許を返し、土地や蔵の多くを売りました。212年続いた酒造りは、ここでいったん止まりました。

通信会社から酒蔵へ

試験醸造で発酵する酒のもろみ
試験醸造で発酵する酒のもろみ — 写真: tokyofoodcast(flickr, CC BY)

伊東家の9代目、伊東優さん(41歳)は、蔵が酒造りをやめた年にまだ中学3年生でした。育ったのは名古屋で、祖父母が住む蔵を訪ねるのは夏休みや正月くらいだったそうです。大学を出てから大手通信会社に勤めましたが、2014年に祖父が亡くなったことをきっかけに、蔵を継ぐ道を考え始めます。その後、伊東さんは愛知県の研究機関「あいち産業科学技術総合センター」で試験醸造を重ねました。記事によると、そこで蔵の昔の味と香りを生んでいた「立役者」も、長い眠りから呼び覚ましたといいます。この「立役者」が具体的に何なのかは、記事の有料部分で説明されています。今は伊東株式会社として活動する伊東さんは、「輝く酒」を造りたいと話しています。

ヨーロッパでの楽しみ方

発酵調味料を使った料理と日本酒
発酵調味料を使った料理と日本酒 — 写真: note thanun(Unsplash)

ヨーロッパの読者には、ラベルの銘柄名「敷嶋」と、蔵がある愛知県半田市を覚えておくことをおすすめします。復活した蔵の酒は、海外ではまだ見つけにくいかもしれません。日本酒専門店や輸入業者に、取り扱いの予定を聞いてみるとよいでしょう。この蔵はかつて味噌や醤油も造っていました。そうした背景を思い浮かべながら、味噌や醤油を使った料理と合わせてみるのも面白い楽しみ方です。今回の話は、一度途切れた蔵でも、その土地らしい味と香りを取り戻せる可能性を示しています。飲むときは、昔の蔵の個性がどう受け継がれているかに注目してみてください。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

秋田の酒を EU で試す — €6 から

180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

ショップへ →