綿の花の酵母で造るクラフトビール、東京から登場
東京のオーガニックコットンブランド「プリスティン」が、国産綿の花から採った酵母で醸すクラフトビール2種を発売した。

東京・新宿のオーガニックコットン企業、株式会社アバンティ(Avanti)は、自社ブランド「PRISTINE(プリスティン)」の誕生30周年を記念し、クラフトビール「わたのぶりゅ〜(Wata no Brew)」を2026年9月に発売しました。使われているのは、同社が国内で育てる綿の花から採取した酵母です。衣料品の会社がなぜビールを造るのか。そこには、綿の栽培を農家にとって続けやすい仕事にするための工夫があります。
服の原料畑から生まれた「副産物」

アバンティは1985年の創業以来、オーガニックコットンの原料輸入から国内での製品づくり、使用済みの布を再生する事業までを手がけてきました。日本の繊維の自給率はほぼ0%とされ、同社は2021年に国産綿の栽培プロジェクト「アバンティコットン倶楽部」を始めて、これを1%に引き上げることを目標に掲げています。現在は全国48か所の拠点が参加しています。収穫した綿を買い取るだけでなく、綿畑から新しい「副産物」を生み出し、農家の収入源を増やしたい。その考えから生まれたのが今回のビールです。花酵母の研究で知られる東京農業大学醸造科学科の教授と3年間共同研究を行い、栃木県の畑でオーガニック農法を基準に育てた綿の花から、ビール造りに使える生きた酵母を採ることに成功しました。
白い花と緑の花、2つの味わい

醸造は、東京・世田谷区二子玉川のブルワリー「ふたこビール」が担当しました。2種類とも原料の99%以上が麦芽です。ただし副原料にハトムギを使っているため、日本の酒税法では「発泡酒」に分類されます。白い綿の花の酵母を使った「White Label」はアルコール分4.0%のホワイトエールです。麹のようなやさしい香りと甘みがあり、軽い飲み口で、食前酒としても合わせやすいとされています。緑色の綿(緑綿)の花の酵母を使った「Green Label」は4.5%のペールエールで、有機麦芽を使用しています。さらに、滋賀県の農園と共同で育てた国産の生ホップも加えています。爽やかな酸味にバナナのような風味とコクがあり、炭酸は強めの個性派です。
ヨーロッパでの楽しみ方

日本での価格は350ml缶が各880円(税込)で、現時点では日本国内での販売が中心です。一方で、アバンティは事業者向けの卸売の申し込みも受け付けています。日本のクラフトビールを扱う輸入業者やバーが今後注目する可能性もあります。この話で注目したいのは、酵母がどこから来たかという点です。日本の酒造りでは、清酒でも花から採った酵母が使われることがあり、酵母が香りの個性に影響します。ヨーロッパでは、ベルギーやドイツの白ビールと飲み比べ、酵母による香りの違いを探ってみるのも一つの楽しみ方です。服の素材と飲み物が同じ畑でつながるという循環の考え方は、サステナビリティに関心の高いヨーロッパの読者の関心にも合うかもしれません。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
秋田の酒を EU で試す — €6 から
180ml のお試しサイズと、日本酒・ワイン・ビール・ジンのフルボトル。アムステルダムから EU 域内へ発送。

