28年熟成の古酒を缶ハイボールに
兵庫の匠創生が、1998年醸造の長期熟成古酒をソーダで割った缶ハイボールを10月1日の「日本酒の日」に一般発売した。

日本酒は「新しいほどおいしい」と考えられてきましたが、何十年も寝かせた古酒(こしゅ)は、いまも日本国内で飲まれる機会がそれほど多くありません。人材サービス大手パソナグループ傘下の株式会社匠創生(本社・兵庫県淡路市)は、その古酒をもっと気軽に飲んでもらおうと、1998年に醸造して28年熟成させた日本酒をソーダで割った缶ハイボール『古昔の美酒(いにしえのびしゅ)古酒ハイボール 1998』を開発しました。2026年10月1日から一般販売が始まりました。
金賞受賞の古酒をソーダで割る

ベースに使うのは、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2026」と、ロンドンで開かれる世界最大級の酒類品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」の両方で金賞を受けた日本酒です。熟成によって生まれた深い味わいに炭酸の軽さを重ね、古酒になじみのない人でも飲みやすい味を目指したといいます。容量は350mlで、日本での価格は1本880円(税込)です。7月からクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約を受け付けていました。
発売日の10月1日は、日本酒造組合中央会が1978年に定めた「日本酒の日」です。かつて日本酒の醸造年度が10月1日に始まっていたことに由来し、新米で酒造りが始まる季節を祝う日でもあります。
国宝の絵巻をまとったパッケージ

缶のデザインには、京都の高山寺(こうざんじ)に伝わる国宝の絵巻「鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)」が使われています。ウサギやカエルが人のように遊ぶ姿を描いた作品で、「日本最古の漫画」とも呼ばれます。寺から正式な許可を得て使っています。何百年も受け継がれてきた絵と28年寝かせた酒を組み合わせ、「時間が育てる価値」を表現しています。
古酒専門の蔵が広げる裾野
匠創生は2017年設立の会社で、長期熟成古酒のブランド「古昔の美酒」を展開しています。2023年には、日本初という古酒専門の酒蔵「日本の古酒蔵」を開き、全国の酒蔵と協力して熟成酒の市場づくりを進めています。販売先には羽田空港のコンビニも入っており、若い世代や訪日客など、古酒を知らない人に最初の一杯を届けるねらいがうかがえます。
この缶がヨーロッパで買えるかどうかは、今のところ発表されていません。それでも、古酒をハイボールにするという発想はすぐにまねできます。熟成した日本酒の琥珀色、カラメルやドライフルーツのような香り(ソトロンなどの熟成香)は、ウイスキーやシェリーが好きな人ならなじみやすいかもしれません。手に入る熟成酒があれば、まずはストレートで香りを確かめ、次に冷やしたソーダで割って、香りの広がり方がどう変わるかを比べてみてください。ラベルに「BY(醸造年度)」や「○年熟成」とあるボトルが、熟成酒を探すときの手がかりになります。
参考・出典
- パソナグループ/匠創生(PR TIMES)「1998年醸造・28年熟成古酒を爽やかなハイボールで『古昔の美酒 古酒ハイボール 1998』10月1日(木)よりオンライン・東京都内ローソン等で一般販売開始」
- SAKE Street「日本酒の「BY」とは?ラベルに書かれた「醸造年度」の意味を解説!」
- SAKE Street「日本酒の香り成分とその表現方法について深く知っておこう! - 日本酒の香りを学ぶ(熟成香編)」
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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