伏見の山本本家、観世流能楽団の欧州公演に協賛
京都・伏見の酒蔵、山本本家が、観世流能楽団のドイツ・ベルギー巡回公演に純米大吟醸を協賛提供し、能とともに伏見の酒をヨーロッパへ届けました。

京都市南部の伏見は、古くから良質な地下水に恵まれ、日本有数の酒どころとして知られてきました。この地で1677年から酒を造る株式会社山本本家(十一代当主・山本源兵衞社長)は、2026年9月にドイツとベルギーを巡る観世流能楽団の公演に協賛すると発表しました。提供したのは蔵を代表する「神聖 純米大吟醸 山田錦 氷温囲い」です。能の舞台を観に来る欧州の文化関係者や観客に、この酒を届けるとしていました。
600年の芸能と、350年の酒蔵
能は、14〜15世紀に観阿弥・世阿弥の父子が完成させた、仮面と謡、舞による日本の古典舞台芸術です。観世流はその最大の流派で、今回は二十六世宗家・観世清和氏と嫡男の観世三郎太氏らが渡欧しました。日程は、9月21日にベルリン・フィルハーモニー(ベルリン音楽祭)、24日にミュンヘンのプリンツレゲンテン劇場(ムジカ・ヴィヴァ)、26日にブリュッセルのボザール(日本・ベルギー友好160周年特別公演)、28日にケルン・フィルハーモニーでした。山本本家は、室町時代から受け継がれてきた能の精神に共感したことを協賛の理由に挙げ、日本文化への国際的な理解を深めたいとしています。
「氷温囲い」とはどんな酒か
「純米大吟醸」は、米・米麹・水だけで造り、米を外側から大きく削って仕込む日本酒の上位の区分です。この酒は酒米の代表品種・山田錦だけを使い、精米歩合は50%、つまり米粒の外側半分を削っています。「氷温囲い」という名前は、ごく低い温度で貯蔵することを指します。搾ったばかりの酒をそのまま寝かせ、味に厚みが出るまでじっくり熟成させています。蔵によると、ほのかな甘みとフルーティーな香りがあり、口当たりはまろやかでコクがあるとのことです。ミラノ酒チャレンジ2024の純米大吟醸部門でダブル金賞、フランスのKura Master 2020の山田錦部門で金賞を受けており、ヨーロッパの審査員からも評価されています。
ヨーロッパでどう楽しむか
公演は9月28日のケルン公演をもってすべて終了しました。会場に行けなくても、ボトルでは「Shinsei(神聖)」という銘柄名と「Hiongakoi」の表記が目印になります。この酒は、よく冷やした状態から熱燗まで、幅広い温度で楽しめるとされています。冷やしてフルーティーさを、少し温めて米のふくらみを確かめるなど、温度による味わいの違いを探る楽しみ方もあります。伏見の酒は一般に口当たりがやわらかいといわれ、白身魚や鶏肉、きのこ料理など、繊細な味の料理と合わせやすい一本です。
参考・出典
本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。
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