The Sake Wire

「富士」初の12年ウイスキー、英仏で10月先行発売

キリンの富士御殿場蒸溜所が造る初の12年熟成シングルグレーン「富士 12年」は、日本より先に10月から英国とフランスで先行発売の時期に入っている。

「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 12年」のボトル(画像提供: キリンホールディングス)
「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 12年」のボトル(画像提供: キリンホールディングス) — 画像提供: キリンホールディングス(PR TIMES)(プレスリリースより)

キリンビールは2026年9月18日、静岡県の富士御殿場蒸溜所で製造する「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 12年」を、10月から英国とフランスで、11月から米国と日本国内の空港免税店(羽田・成田・関西)で先行発売すると発表した。「キリン ジャパニーズウイスキー 富士」ブランドとして初めて熟成年数を掲げる12年物で、日本国内での一般発売は2027年以降の予定という。つまりヨーロッパの愛好家は、日本の消費者より先にこの一本を手にできることになる。

3つのグレーン原酒を「熟成のピーク」で選ぶ

ウイスキーの世界では、大麦麦芽だけで造るモルトウイスキーが主役で、トウモロコシや小麦などの穀物から造るグレーンウイスキーはブレンドの脇役と見られがちだ。富士御殿場蒸溜所は、性格の異なる3タイプのグレーン原酒を造り分けることを特徴としている。今回の12年は、この3タイプそれぞれが最も持ち味を発揮した時期の原酒を選び抜いてブレンドしたもので、キリンは熟した果実を思わせる華やかな香りと澄んだ甘み、気品ある味わいと表現している。富士山の麓で半世紀以上磨いてきた原酒づくりとブレンド技術の集大成という位置づけだ。

48%、ノンチルフィルタードという本気度

「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 12年」のボトル。金箔調のデザインとショルダーラベルをあしらう(画像提供: キリンホールディングス)
「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士 12年」のボトル。金箔調のデザインとショルダーラベルをあしらう(画像提供: キリンホールディングス) — 画像提供: キリンホールディングス(PR TIMES)(プレスリリースより)

スペックも愛好家向けだ。アルコール分は48%で、冷却濾過を行わないノンチルフィルタード。低温で濁りの原因になる成分をあえて取り除かず、香味を損ねないための手法で、こだわりの蒸溜所が好む仕様である。容量は700ml、価格はオープン価格。パッケージには「Aged 12 Years」の刻印と金箔調のデザインを施し、ブランド初となるショルダーラベルと金属製のキャップシュリンクを採用した。キリンは、ジャパニーズウイスキーの世界的な需要拡大とプレミアム商品への関心の高まりを背景に、海外市場を通じて「富士」のブランド価値を高めたいとしている。

ヨーロッパでどう楽しむか

ストレートで香りを確かめるテイスティングのイメージ
ストレートで香りを確かめるテイスティングのイメージ — 写真: cottonbro studio(Pexels)

10月の発売地域は英国とフランスに限られ、オランダやドイツ、スペインでの正規流通は現時点で発表されていない。まずは英仏の専門店やオンラインショップの入荷情報を追うのが近道だろう。ただし輸出状況によって発売時期が前後する可能性があるとキリン自身が断っている。テイスティングの際は、3タイプのグレーン原酒がどう重なり合っているか、果実感と甘みのバランスに注目したい。48%の度数なので、まずはストレートで香りを確かめ、少量の加水でどう開くかを比べると、シングルグレーンという少数派カテゴリーの面白さが見えてくるはずだ。

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