The Sake Wire

出羽鶴と刈穂、同じ蔵元の二つの個性を飲み比べる頒布会

秋田清酒が出羽鶴・刈穂の頒布会2026を発表。アッサンブラージュや7年熟成など、2蔵の造りの違いを3カ月かけて味わうセットだ。

日本酒の飲み比べ(イメージ)
日本酒の飲み比べ(イメージ) — 写真: Szymon Shields(Pexels)

秋田県大仙市に本拠を置く秋田清酒株式会社は、傘下の二つの蔵「出羽鶴酒造」と「刈穂酒造」の酒を毎月2本ずつ届ける頒布会「SAKE SELECTION BOX 2026」を発表した。秋田は本州北部の日本海側に位置する米どころで、同じ会社に属する両蔵はそれぞれ異なる個性を持つ。10月から12月まで毎月テーマを設定し、同じ手法や同じ米で造った酒を蔵ごとに並べて比較できる構成になっている。

二つの蔵が同じ手法で競う

利き酒のように蔵ごとの純米酒を並べて味わうイメージ
利き酒のように蔵ごとの純米酒を並べて味わうイメージ — 写真: Stephen Zoo(Unsplash)

10月のテーマは「アッサンブラージュ」、つまりワインでおなじみのブレンドである。各蔵で醸した3種の純米酒(米・水・麹だけで造った酒)を、それぞれの杜氏(醸造責任者)と製造部長が選んで調合する。出羽鶴はやさしくまろやかな味わいを、刈穂は香味の鮮やかさとキレのある辛口を目指すとされ、同じ手法でも蔵の哲学がどう違う結果を生むかを確かめられる。

12月は新酒の対決で、地元・大仙市で契約栽培された酒米「秋田酒こまち」を両蔵が使う。いずれも純米吟醸(精米歩合60%以下、つまり米の外側を4割以上削って造る等級)で、出羽鶴は新酒の爽やかさと米由来の柔らかな香味を、刈穂は豊かな旨味と後味のキレを特徴とする。

7年熟成という珍しい提案

11月は熟成酒がテーマだ。日本酒はフレッシュなうちに飲むものと思われがちだが、ここでは両蔵が7年間低温で寝かせた酒を出す。出羽鶴は江戸時代末期に発見された歴史ある酒米「雄町」の純米大吟醸を蔵内で7年熟成させたもので、澄んだ旨味が特徴だという。刈穂は希少さから「酒米のダイヤモンド」とも呼ばれる「愛山」の純米吟醸を0〜5℃の貯蔵庫で7年寝かせ、細やかな甘みと酸、程よく枯れた余韻を持つ。

頒布会は720ml×2本を3回届け、12月には非売品の純米大吟醸300mlが特典として付く。価格は店頭受け取りで11,880円、蔵元直送で14,520円(いずれも税込)。申し込みは取扱酒販店、電話・FAX、または蔵元のオンラインショップで受け付けており、日本国内向けの企画である。

ヨーロッパの読者へ

ワイングラスに注がれたワイン、飲み比べを楽しむイメージ
ワイングラスに注がれたワイン、飲み比べを楽しむイメージ — 写真: Kelsey Knight(Unsplash)

このセット自体は日本国内向けだが、発想はそのまま持ち帰れる。出羽鶴や刈穂を扱う輸入業者や日本酒専門店を見つけたら、同じ米や同じ等級の酒を二つの蔵で並べ、香りの立ち方と後味の切れ方を比べてみてほしい。また、メニューやラベルに「熟成」「古酒」とあれば、フレッシュな新酒とは別の、まろやかで落ち着いた旨味を持つ日本酒に出会える目印になりうる。ブレンドという言葉にワインの感覚で反応できるヨーロッパの飲み手にとって、蔵の哲学がはっきり表れやすいのはこうした飲み比べである。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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