The Sake Wire

田沢湖ビール、辛口の夏限定「ブリュットIPL」

秋田の田沢湖ビールが、ホップの香りと辛口のキレを両立させた夏限定ラガー「サマーブリュットIPL」を今年も醸造した。

柑橘の香りが立つ辛口の夏向けペールラガー
柑橘の香りが立つ辛口の夏向けペールラガー — 写真: Aleks BM(Pexels)

日本の北東部、秋田県仙北市にある田沢湖ビールが、2026年夏の限定ビールとして「サマーブリュットIPL」を発表した。前年に好評だった銘柄を今年も醸造したもので、2026年6月16日から発送が始まった。ドイツの伝統的なスタイルを軸に醸造を続けてきたブルワリーが、世界のクラフトビールで生まれた新しいスタイルをどう取り入れたのか。その点で、ヨーロッパのビール好きにも興味深い一本だ。

「ブリュット」とラガーの組み合わせ

クラフトビール(イメージ)
クラフトビール(イメージ) — 写真: Andrew Patrick Photo(Pexels)

「ブリュット(Brut)」は、シャンパーニュで極辛口を表す言葉だ。ビールでは、糖分をできるだけ残さずに発酵させた、甘みの少ないドライなスタイルを指す。IPA(インディア・ペールエール)はホップの香りと苦味を前面に出したエールで、IPL(インディア・ペールラガー)は同じ考え方をラガー酵母で表現したものだ。田沢湖ビールによると、サマーブリュットIPLは柑橘系ホップの鮮やかな香りと、キレのあるクリーンで爽やかな飲み口が特徴だという。ホップの華やかさと、ラガーらしい軽さ、辛口の後味を1杯でまとめた設計といえる。

2019年のプロジェクトから生まれた系譜

クラフトビール醸造所の発酵タンクが並ぶ様子
クラフトビール醸造所の発酵タンクが並ぶ様子 — 写真: cottonbro studio(Pexels)

このビールには原型がある。2019年、東北地方のクラフトビールの取り組み「東北魂ビールプロジェクト」で、田沢湖ビールは「スノーブリュットIPA」と「サマーブリュットIPA」を醸造した。サマーブリュットIPLは、この2つから派生した銘柄だ。単発の企画で終わらず、エールからラガーへと形を変えながら数年がかりでスタイルを磨いてきた点に、造り手の継続的な試みが見える。田沢湖ビールは普段、アルト、ピルスナー、ケルシュ、ヴァイツェンなど、ドイツ系のビールを定番として造っている。ラガー醸造の経験を土台に新しい要素を加えた限定品だと考えると、このビールの立ち位置がわかりやすい。

ヨーロッパでの楽しみ方

柑橘を添えた辛口ビールをグラスに注ぐ様子
柑橘を添えた辛口ビールをグラスに注ぐ様子 — 写真: cottonbro studio(Pexels)

限定醸造のため、この銘柄がヨーロッパの店頭に並ぶとは限らない。まずは、日本のクラフトビールがホップを効かせたIPA系のスタイルを、ドイツ流のすっきりしたラガーの技術で表現している点に注目してほしい。「Brut IPA」や「India Pale Lager」はヨーロッパのクラフトビール専門店でも見かけるスタイルなので、飲み比べれば辛口に仕上げる方向性の違いがわかりやすいだろう。日本のクラフトビールを扱う専門店や輸入業者のリストで田沢湖ビールの名前を見つけたら、定番のアルトやケルシュと並べて味わうのもよいだろう。よく冷やし、柑橘を添えた魚料理や揚げ物と合わせると、この種のビールのキレと香りが引き立つかもしれない。

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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