The Sake Wire

酒米高騰に埼玉県が直接支援、酒蔵などに支援金

東京の北に隣接する埼玉県が、2025年産の酒米や加工用米の値上がり分を、県内の中小の酒蔵や味噌・米菓メーカーに補う支援金制度を設けた。

日本酒造りの原料となる、精米された米
日本酒造りの原料となる、精米された米 — 写真: Petr Ganaj(Pexels)

何が支援されるのか

酒造りに使われる、磨かれた米の粒
酒造りに使われる、磨かれた米の粒 — 写真: Mari M(Pexels)

埼玉県は2026年5月29日、「埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金」の申請受付を始めた。東京都の北に接する埼玉県は、首都圏の一角を占める県だ。この制度の対象は、玄米や精米を主な原料に酒や食品を造る中小企業で、県内に本社か主な事業所を置くことが条件になる。日本酒などの酒類のほか、味噌などの調味料、米菓、餅や団子、米粉、冷凍米飯の製造業者も含まれる。一方、飲食店や弁当・惣菜の製造業者は対象にならない。支援額は、2025年に収穫された加工用米と酒造好適米の値上がり分に相当する額で、県はこれを緊急措置と位置づけている。酒造好適米とは、日本酒造りのために育てられる専用品種の米を指す。

申請の仕組みと期限

収穫期を迎えた稲田
収穫期を迎えた稲田 — 写真: Chen Te(Pexels)

対象になるのは、酒類・調味料・菓子などを造るために購入した2025年産の米で、2026年10月31日までに納品と代金の支払いが済んだものに限られる。受付期間は2つに分かれていた。7月末までに納品と支払いが済んだ分は5月29日から7月31日まで、8月から10月末までに済む分は8月1日から9月15日まで受け付けた。申請は原則オンラインで、郵送でも出せた。申請には、購入量と金額がわかる書類を添える必要があった。受付はすでに締め切られており、今後は支給の段階に入る。

なぜヨーロッパの読者にも関係するのか

日本酒の原価の中心は原料の米だ。県が業種を挙げて米の値上がり分を直接補うのは、米の価格上昇が地方の小さな蔵や食品メーカーにとってそれだけ重い負担になっていることを示している。小規模な蔵がコストの上昇を吸収できなければ、いずれ輸出価格にも影響が出るかもしれない。今回の支援金は、そうした値上げの圧力を地元の段階で抑えようとする取り組みの一つといえる。

ヨーロッパの読者が注目したいのは、2025年産の米で造られた酒がこれから順に店頭に並ぶ点だ。特に影響を受けやすいのは、精米歩合(磨いた後に残る米の割合)が低い吟醸酒や大吟醸酒だ。米を大きく削るぶん、1本あたりに使う米の量が多いからだ。純米酒と大吟醸酒で、昨年と比べて価格がどう動いたかを比べてみると、米の値上がりの影響が見えてくる。埼玉の酒を見かけたら、販売店や輸入業者に造り手の規模や使っている米について尋ねてみるのもよい。小さな蔵の一本を選ぶことは、遠くからできる身近な応援になる。

参考・出典 埼玉県「『埼玉県加工用米等価格高騰対策支援金』の受付を開始! ~米加工食品や清酒等の製造事業者を支援します~」

参考・出典

本記事は上記の公開情報をもとに The Sake Wire 編集部が要約・執筆したものです。画像は自社素材を使用しています。

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